鵜峠地区の釣り場とアクセス

鵜峠地区は全て地磯釣行である。鵜峠港の各波止と「大崎鼻」は手軽な地磯でありながらよく釣れるためシーズンになるとたくさんの釣り人が出入りするようになる。

鵜峠港の各波止は夏にはファミリーも多くなるし、ルアー、エギングの釣り人も多い。また、西風の陰になるというメリットがあるので大社湾で釣りをしていた人が途中で鵜峠港に避難してくることも多い。そして、大崎鼻は釣り場も広く、ルアー、エギング、フカセ釣り、カゴ釣りとどんな釣りスタイルでも受け入れる懐の大きな釣り場である。

しかし、ここは11月から翌年3月までは岩海苔の採集場となり、立入禁止になる。
鵜峠の大物釣り場として筆頭に挙げられるのが「白島」周辺の釣り場。
東から「ゴト」「白島」「鶴ヶ島」と3つの釣り場が並んでいるが、ここは大ダイのメッカ。それも晩秋から初春にかけての寒い時季。釣り場は「鶴ヶ島」が最も確率が高い。ポイントは「鶴ヶ島の東」である。
「面坂トンネルの横から登る小道があるのでそこに入る。トンネルの上を横切っていよいよ本格的に山登り開始。健脚で35分というが、もっとかかるような気がする。
鵜峠の大物場はもうひとつ。それは「ヨヒロ」である。ここは「白島」ルートと比べると距離も難度も少々楽である。そのため、夏から秋にかけては日中はヒラマサ、その後夜釣りでマダイ、イサキを狙う人もいる。
「ヨヒロ」への入り口は、「面坂トンネル」から下ってくると道路左側にお寺と神社が隣合わせになっている所がある。このお寺と神社の間から入って行く。谷川があるので、その沿いを少し登り、2つ目の堰堤が前方に見える辺りで右に折れる。すると、それまでより急斜面の登りとなるが、それも少しの間だけ。
あとは緩やかなアップダウンの末、「ヨヒロ」の釣り場の上に到着する。
ここから降りる岩場は大変。傾斜がきつく、しかも見た目より距離もある。ここが「ヨヒロ」の一番の難所。
それでも25分程度の行程で行ける。
もうひとつの地磯は「中ばさん」。
ここは鵜峠港の民家の中を横切り、小高い山をひとつ越すともう「中ばさん」の奥に出る。左側の岩壁を伝って先端まで出る。約15分程度かかる。

鵜峠港

鵜峠港には「内波止」「中波止」と「沖波止」の3本の波止がある。最も人気のある波止は「中波止」である。足場が良くたくさんの釣り人が集う。チメ、グレ、サヨリ、スズキ、アジなどの他、たまにはマダイ、ワカナなどが釣れたりする。夏にはファミリーフィッシングで賑わう。ルアーマンもよくやってくる。
シーバス、ヒラメ、マゴチ、メバル、アジ、サゴシ、カマスなど色々な魚種が狙える。イカは春のアオリイカ、コウイカ、秋には秋アオリ、冬にはヤリイカも入ってくる。

「沖波止」は、沖向きにはテトラが入っているため先端以外は足場が悪い。しかし、この波止は侮れない。
ここは毎年のように大ダイが釣れるのだ。山陰広しといえども、波止から毎年のように大ダイが釣れるなど聞いたことがない。たまに大ダイが釣れることはあっても、大ダイ目指してベテラン釣り師がやってくる波止などあり得ない。
2008年秋から翌年の正月にかけて、この鵜峠港の「沖波止」では凄い大ダイラッシュが続いた。
2008年11月に88㎝の大ダイが報告されたが、その翌月の12月24日には91㎝、11kgというの重量級の大ダイが釣れた。さらに2009年1月4日には91㎝、8.8kgの大ダイが上がっている。その他の年も、年末年始にかけて大ダイが記録される不思議な波止である。

前高(まえたか)

鵜峠港の東側は高い護岸壁が巡らされているが、その下で低く平坦な岩場が広がった一角がある。これが「前高」といわれている釣り場である。地元の人は「高岩」という人もいて、今は削られているが、陸地側はもっと高い岩がったとい北西の時化の時に立てる避難場としての磯釣り場である。チヌ、グレ、スズキ、アジ、サヨリなどの実績がある。水深は浅く、時化後か濁りのある日でないと望み薄だが、道路からすぐの手近な釣り場であるのが魅力。

中ばさん(なかばさん)

大社町の地磯としては比較的手軽に行ける地磯である。歩いて約15分。鵜峠港の横の民家の並びの中から道が山に向かって延びている。ひと山越えると両サイドとも高い岩壁というらまでも薄暗い湾の奥に出る。
ここから左サイドの岩壁を伝い歩きして先端まで出る。どちらかといえば、フカセでグレを狙う人が多い。過大には45cmのグレも出ている。しかし、マダイ、ヒラマサも充分可能性があり、端からマダイ狙いなら左側の釣座がお勧め。フカセで狙うなら太掛けで臨むこと

大崎鼻(おおざきばな)

鵜峠地区で最もお手軽な地磯が「大崎鼻」である。
そして釣り方いろいろ、釣りもの多彩とくれば人気が出ないはずがない。しかし、数年前から、ここは11月〜翌年3月まで海苔島になるために立入りが禁止になった。要するに、「大崎鼻」の冬のシーズンはなくなったわけである。
春はアオリイカから始まる。鵜峠港側の東向き、「中ばさん」向きの湾内などが主なポイントとなる。また、夜釣りではヤリイカがまだ釣れる。雌イカシーズンの最終時季に当たる。やがてマダイ、グレ、ルアーではシーバス、メバル、中アジのシーズンである。特に、
「大崎鼻」は中アジが濃く、以前から餌釣りの夜釣りでよく釣れていた。
夏に入れば、ジグでワカナ、ヒラマサ、サゴシとおもしろくなるが、意外にも先端部は瀬が荒く根掛かりが多い。ベストポイントは北東向き。ルアーではシーバスの他、ヒラメ、マゴチなどもターゲットに入ってくる。カゴ釣りは夕方から夜釣りにかけてが中心になる。ヒラマサ、ワカナ、マダイ、中アジ、時にはイサキも交じる。
秋に入っても釣りものは基本的には夏と同じ。新たに加わるのは秋アオリ狙いのエギンガーが活躍する。
防波堤よりちょっと足を伸ばした地磯が秋アオリのメインターゲット。
「大崎鼻」はそのセオリーにピッタリなのだ。秋のマダイ、ヒラマサ、ワカナ、イサキなどは11月に入ってからが本番なのだが、残念ながら11月からは海苔島となるため「大崎鼻」は立入禁止となる。

「ヨヒロ」と「ヨヒロ半」と「ワサ」の位置関係。

「ヨヒロ」周辺には、この狭いエリアに「ヨヒロ」と「ヨヒロ半」と「ワサ」の3つの釣り場がある。しかも、その3つともに磯釣り師の血を熱くさせるようなパワーを持った“男前“な釣り場。つまり、いずれも釣り人を寄せ付けないような急峻な地形の釣り場なのである。
鵜峠から「ヨヒロ」を目指して地磯道を登ると、最終的にワサに出る。
ここからは足元が岩場になって急傾斜の道を降りて行くようになる。左手に最初の大岩の出鼻がある。
海面までおそらく30mはあろうか…。この上に立って下を眺めてみると、真下に「ワサ」の釣り場、右前方に「ヨヒロ半」が見える。そして、足元付近をよく見るとこの出鼻の左付け根辺りに降り口があり、途中急斜面にロープがぶら下げてあるのが分かる。つまり、出るとすぐ左手に「ワサ」への降り口があるということだ。
出鼻の右下にはもう一つ出鼻が見下ろせる。ここでも海面から20mくらいはあろう。真下には「ヨヒロ半」の釣り場がある。この出鼻 と出鼻の間を通り、ここから絶壁を横這いしながら降りて行くと、左に行けば「ワサ」の釣り場、右に行けば「ヨヒロ半」の釣り場に降りられる。「ワサ」方向に降りる場合は、凹凸のある岩質なのでつかみ所があるが、「ヨヒロ半」に向かう時には岩質が異なり、余り凹凸がないので注意しながら進まなければならない。
さて「ヨヒロ」の「本場」は渡る人が多く岩場にもスパイクの跡が刻み込まれていて分かりやすい。そして、右下には「ヨヒロ」の「低い所」とわれている別の釣り場がある。ここと「本場」は海岸伝いには往き来が出来ないので、移動したい場合には一旦高い場所まで引き返してから「本場」に向かうことになる。

ヨヒロ(よひろ)

大社町でも名の知れたマダイ場のひとつ。とはいっても、最近ではタルカゴ釣りが主流になり、マダイ狙いというよりヒラマサやマルゴ、イサキなどを含めて大物狙いというパターンになっている。「ヨヒロ」ではヒラマサは1m(2005年)という記録が残っている。人気釣り場なので釣り人の入る数も多い。「ヨヒロ」は「本場」の西側以外にも東側の「低い方」にも釣り人が立つ。
ただ、両者の間は移動が不自由である。夏から秋にかけてはマダイ、イサキの夜釣り、通し釣りをする人もある。

ヨヒロ半(よひろはん)

「ヨヒロ」の隣にある「ヨヒロ半」とは、何とふざけたネーミング!釣り場は「ヨヒロ」の西端に飛び出した一角で、1人貸し切りの狭い釣り場。「ヨヒロ」との間は海岸伝いに移動が出来ない。別掲のように「ワサ」との距離の方が近い。
名前はおもしろいが、アクセスは絶壁の横這いをしなければならず、危険きわまりない。フカセ場であるが、カゴ釣りさんも通う。沖合いを流れる潮は「ヨヒロ」と同じなので釣れるものは選ばない。マダイ、ヒラマサ、イサキ、グレ狙いは太掛けが必須。

ワサ(わさ)

「ワサ」も「ヨヒロ半」と同じく環境は絶壁の下。
アクセスには充分注意すること。狭い釣り場でグループでも2人まで。やや湾内に入った位置にあり、フカセ釣りが主。上から見おろすといかにも大型グレがいそうな感じの磯で、フカセ師なら一度竿を出してみたくなるところだ。過去には大ダイ、ヒラマサも記録されているため、仕掛けは太めがいい。潮は複雑な流れを見せるが、湾から出る潮が沖遠くまで流れる時がベスト。グレも大型が期待出来る。

「ゴト」と「白島」と「鶴ヶ島」 の位置関係

「面坂トンネル」の出口から地磯道を歩いて約35分、森の中から抜け出すと眼前に大海原が現れ、右前方には「ゴト」のトンガリ帽子の岩山が見えてくる。「あぁーツ、白島にやって来た!」と実感する瞬間である。
まず、「ゴト」を目指すならそのまま真っ直ぐ海岸端まで降りて、大きな岩、小さな岩がバラバラに散らばっているのでその上を跳び歩いて釣り場に向かう。「ゴト」の釣座は巨大な岩盤からなっていてほぼ平坦。そして、海面から非常に高い。
取り込みの際は、下に降りる所があるので独りでも出来ないことはないが、難しい。誰か相方がいれば万全である。
地磯道の出口から左方向に向かえば「白島」である。ここは、難しいアクセスではない。難しいのは、「白島」から「鶴ヶ島」への移動である。
この間は湾になっており、無数の巨岩が所狭しとひしめき合って並んでいるという状態。この岩をひとつひとつ見極めて渡って行くのである。
初めての人は、慣れた人に同伴してもらい渡り順を覚えておくことだ。
そして、渡り終えたら、そこが「鶴ヶ島の東」の釣り場である。ここも高い岩の上に登る地点が分かりにくいのでしっかり覚えておくこと。「鶴ヶ島の西」は、さらに西に進むと足掛かりのある岩が現れるのでそこを登る。ここは分かりやすいので大丈夫だ

ゴト(ごと)

ご存知のトンガリ帽子の高い岩が「ゴト」を象徴するイメージだ。実際の釣り場は沖向きの平坦な足場の岩盤が2つ並んでいるところ。釣座が海面から高いので取り込みの時のことをあらかじめ考えておくこと。
雄大な釣り場に見えるが、実際には足元から沖までい沈み瀬があちこちに点在していて、カゴ仕掛けを流すのは困難か?その分フカセ釣りには充分期待が持てる。グレはポイントを決めてしつこく攻めること。過去には0㎝級の良型を4匹釣った人もいる。その他、スズキ、メバルも良型が期待できる。

白島(しろしま)

広いこんもりした岩の一帯が「白島」の釣り場。フカセ釣り主体で、5~6人は充分に立てそうな広い釣り場である。グループならもっと入れそう。グレ狙いしていると、必ずといっていい程外道でスズキが釣れる。これは個人的意見だがやや波気がある時に立つことが多いからだろうか?足の長いサラシに任せて沖の潮と合流する時がグレのヒットパターン。たまに10㎝級が交じることもあるが、30㎝級の良型を数釣りすることが多い。その沖の潮にはマダイ、ヒラマサが潜んでいるので要注意!

鶴ヶ島の東(つるがしまのひがし)

「白島」一帯の西の端、巨大な岩の大島が「鶴ヶ島」である。その東側が「鶴ヶ島の東」である。一般に「白島」で大ダイ!という話題のほとんどがこの「鶴ヶ島の東」で釣れたものである。それにしても恐るべし「鶴ヶ島」である。
2010年秋から翌年2月にかけて8mオーバーの大ダイが3匹も釣れている。
その間、「白島」周辺では70〜80㎝級の大ダイが複数匹釣れており、この周辺のマダイの数は凄いものがある。やはり晩秋から初春にかけてがピークになる。

鶴ヶ島の西(つるがしまのにし)

「鶴ヶ島の西」は、フカセ釣りとカゴ釣り両刀使いで臨める釣り場で、グレの他特に西向きではメバルの良型がよく釣れる。北向きは2ヶ所釣座が取れ、いづれも足元からサラシが出てグレ釣りには最適の釣り場である。両者は波気の荒い日には磯伝いに移動出来ず、一旦上まで上がって移動する。沖に延びるサラシが西側の湾から出る潮と合流した時にはグレは良型が数釣れる。また、そんな潮の時にはマダイ、ヒラマサ、イサキも大型が来る可能性があるので太い仕掛が必要である。